ささえ愛出前講座『食べてめざそう 転ばない身体』を開催いたしました 【2025年6月12日(木)地域支縁くらぶ白樺】
今回は、開西病院 診療技術部 栄養科 近江茉莉 管理栄養士が
「食べてめざそう 転ばない身体」と題し、講座を開催しました。
筋肉には、以下のような役割があります。
①体を動かす・安定させる
②血管、臓器の保護
③心臓のポンプの役割
④熱を作る・代謝を上げる
⑤免疫力を上げる
筋肉量が少ないと、転倒や骨折のリスクが高くなり日常生活にも困難が生じるようになりますが、筋肉は今からでも増やすことができ、それには運動だけでなく食事も大きく影響します。
食事量が低下すると、
体力が低下し免疫力も低下
→更に体重が減少し
→転倒・骨折とつながり
→動かないことでまた食事量が低下する
といった栄養不足の負のスパイラルに陥ってしまうので、まずは食事の見直しを行いましょう、と呼びかけました。
筋肉を作る重要な栄養素は「たんぱく質」で、たんぱく質を多く含む食品には、魚介類や肉類、牛乳、卵類、大豆製品等があり、1食あたり手のひら1枚分、約60gを目安に摂取すると良いそうです。
様々な種類のたんぱく質をバランスよく摂ることが大切で、肉と魚は1対1の割合で摂取すると良く、肉には、うつ病を予防する効果がある、とも言われています。
たんぱく質の吸収を助ける役割のある栄養素は、
①カルシウム
②ビタミンD
③鉄
で、カルシウムは筋肉運動や生命維持に重要な役割を果たしていますが、日本人はカルシウム摂取量が少なく、さらに吸収率も悪いそうです。
吸収率が高い食品は、牛乳が40%と一番高く、続いて小魚33%、野菜19%で、1日コップ1杯の牛乳と野菜や海藻類・大豆製品・魚介類を一緒に摂取すると良いようです。
続いてビタミンDは、体内のカルシウム吸収を促進し、骨を増強しつつ筋肉を合成する作用があります。魚類やきのこ類、卵の黄身等に多く含まれます。ビタミンDは日光に当たることで体内でも合成されるので、1日15~30分程度太陽に当たると良い、とのことでした。
そして鉄は、筋肉に酸素を取り入れる働きがあります。鉄には、動物性食品由来のヘム鉄と植物性食品由来の非ヘム鉄があり、ヘム鉄はたんぱく質と結合しており、吸収率は10~30%程度と言われ、レバーや牛の赤身肉、鰯や鰹に多く含まれています。一方非ヘム鉄はたんぱく質と結合しておらず、吸収率も5%以下と低いのですが、たんぱく質やビタミンCと一緒に取ることで吸収率がアップ。厚揚げや納豆、小松菜、ひじき等の食品に多く含まれます。
管理栄養士おすすめレシピとして、
『鮭とブロッコリーのミルク炊き込みご飯』と
『厚揚げの和風ごちそうステーキ』を紹介、
簡単に作れそうなので作ってみます、との参加者からの声もありました。
最後に、食事は3食食べることで生活のリズムを整え、血糖値が安定し、栄養バランスが整えやすくなるため重要で、油脂類は不足しがちですが1日1品は油を使った食事を取り入れ、炭水化物も主要なエネルギー源なので抜かず、調味料を上手に使っておいしく食べることが重要、と説明がありました。
食べることは、栄養を摂ることだけではなく、生きがいや楽しみ、コミュニケーションにつながるので、ぜひこの機会に食事を見直し、転ばない身体を目指しましょう。
今回の講座には、10名の方が参加されました。
毎月第2木曜日13:30~15:00 は地域支縁くらぶ白樺へ是非お越しください。
私たち博愛会メディカルグループは『メディカル。つながる。街つくる。』をモットーに、今日も地域と共に未来に向かっています!